『Death Stranding』クリア後の感想

発売前からずっと楽しみにしていたDeath Strandingがようやく発売されて、夢中になってプレイし、3日くらいでストーリーを終えた。短期間ではあるが、それでも40時間は掛かった。こんなに熱中したのは小島監督のMGS5以来だとマジで思う。通常のゲームでは20時間程度でクリアできてしまうが、これは寄り道をしようとすれば何時間でもできてしまう代物だ。クリアした後でもアイテム報酬といいね欲しさに配達し建設をしている。国道よりもジップライン派だ。

 

今やっているDbDは1年以上やっているけど、正直、オンラインゲームは惰性でダラダラ続けているだけなので、熱中とは言えないかもしれない。イライラすることばかりだしね。しかしデスストの面白いところは、イライラの矛先は紛れもなく自分であるということだ。どんなコースでもしっかり計画を立てればすいすい進められるのに、焦りか従来のゲーム感覚に捉われているのか、どうも早く行こうとしてしまう。結果、転んで荷物は落とすしBBは泣くしで最悪。その選択をしたのは自分なので、すべてプレイヤー自身のせいなのだ。まあ、正直を言うと、現実ベースで考えてもスムーズな歩行や移動ができるだろうに、かなり詰まる。こればかりはプログラマーを恨まざるをえない。ただ、ほとんどの場合においてはプレイヤーの責任だ。

 

このゲームは配達人シミュレーターと言っても過言ではない。依頼を受注して配達するだけ。「おつかいゲー」を前面に推している初のゲームかもしれない。だから、このゲーム性で意見が分かれるのは小島監督自身もわかっていたことだろう。というより、私は表現作品は賛否両論があるから良いと思っているので、レビューが★3くらいが逆にプレイしやすかったりする。1つ言いたいのは、このゲーム関して意見を述べていいのは、プレイした人のみであるということ。少なくとも「プレイ動画で済ませたったw」みたいな輩は一切口出し無用。レビュー評価に興味関心の基準を置いているような奴は論外。

 

以下、ネタバレ

 

 

 

 

私はこのゲームは素晴らしい作品であると思っている。ただしパーフェクトではない。配達は楽しいしストーリーはピカイチ。IGNは6.8/10の評価を付けたが、これは厳しすぎる。8.5/10あたりが妥当だろう。ダメなところの理由を述べると、ストーリーにノイズが混じっている。ジャンク屋のイベントやビーチで突っ走るところは意味不明。しかもわざわざジャンク屋の彼女をBTがうようよしている危険地帯を命からがら脱して届けたというのに、後にメールで「私たち別れました泣」みたいなメールを寄越した。その上もともと住んでいたシェルターにしれっと帰ってやがる。一番許せないのはその彼女役、めちゃくちゃ演技が下手である。私は英語音声でプレイしたので日本語音声の事情は分からないが、英語版は酷すぎる。「小島監督でもアイドルを漫画の実写映画に出したったみたいなことするんだ」と思ってしまった。

 

そしてビーチでアメリとサムが仲良さげに走りまくるシーン。「それいるの??????????????????!!!!!!!」と叫んでしまうくらいにはキレた。あんな初めてサムが感情を露わにしましたっていうシーンの後に、アメリとだけ仲良くして他のキャラにはぶっきらぼうを貫いてるの、完全にサムのわがままだろ! なにか特別な意味があるとしてもあの演出は良くない。もっと練れたはずだ。浜辺を手を繋いで何か思い出話でもしながらダイハードマンとブリジットのところまで連れて行けばいいじゃないか。もう一度言う、キレました。

 

上記2つのノイズのせいでめちゃくちゃ感動するラストが100点から89点まで下がった。ラストはボロ泣きした。ノイズでも別の意味でボロ泣きした。あとはシステムの問題だからマイナス評価に入れない。修正できてしまう点にそこまで大きな意味はない。しかし、いまさら変えようのないストーリーの根幹部分でのミスはしっかり批判しておきたい。だから監督よ、PC版が発売されるまでになんとかしてジャンク屋の下りだけでもどうにかしてくれ。サムが救われない。ジャンク屋のところ、サムひとことも喋ってなかったしな…。

 

他の部分ではもうマイナスのしようが私にとってないので、感想はここまでにする。このゲームは多くの人が言っているように万人向けではない。現在のブームから離れている全て新しい作品だから。少なくとも「フォートナイト」や「PUBG」あたりをメインにやっているライト層には全くウケないだろう。というかウケてほしくない。先の見えない消耗するだけのゲームを考えもなしにドンパチやってるだけの連中には必要ない。これから新たに創られていくだろう未知の分野の源流をプレイしたい人にオススメする。