大卒

「あ、このひと無理だわ」って思うと心が3000km先まで離れてしまう。特に講義がそうで、話がつまらなかったり暴言混じりの話を展開されると講師の声すら聞きたくなくなる。単位を取らなければいけないのにそんな戯言は甘えでしかないんだけど、無理なものは無理ですね。いつも思うんだけど、大卒ってすげえや。なんであんなに単位のために諸々を割り切れるんだろう。つまらないくせに要求は厳しい(難度とは比例しない)のってカスじゃないの? まあ全ての講義がおもしろいなんてことはあり得ないし、興味は人それぞれなので私がカス認定しても他人には良かったりするから強くは言えないんだけど。とはいえ講義の度に出席者がいなくなる講義、カスだろ?

 

 で、大卒の話。あの身代わりの早さは目を見張る。「バイトだる」とか「ねむ」とか言ってる間にあっさりと単位を取って、知らんうちに就活してあっという間に内定を勝ち取って、気づいたら企業戦士というわけだ。それで乗り遅れているヤツ、うまくいっていないヤツには落伍者扱い。人間って短期間であそこまで冷酷になれるんだな。入学時には「ワンチャンワンチャン」って言い合ってたのにな。ノーマーシーでフィニッシュです。

 

 働いている知り合いのツイッターを覗くと、みんなキャリアプランなんか立てちゃってる。男女差別に斬り込んでたり夢とか語っていたり…。キラキラしすぎじゃねえのか。メメント・モリ。死の恐怖は誰もが必ず味わうんだからな。

 

では、この、今キーボードを叩いている「私」は何だ? 親には限界であることを散々伝えたのに「大卒未満は人間じゃない」の一点張りで学生に引き戻された「この存在」。考えても仕方ねえか。母から存在否定の言葉の数々を浴びせられて育ったので、もはや手遅れなのだろう。

 

 こういうときに両親が同じで、育てられる場所だけ異なっていたらどうなっていたのだろうと考えてしまう。両親の教育が最低でも社会環境によって承認を得られることってあるんだろうか。私は、「怪物」は環境によって創られると思っているので、いくらか結果は異なるんだろう。少なくとも過干渉な母と無関心な父から産まれ日本で育ち、障害を抱えた人間は「怪物」になり得る。私はギリギリを保っていると信じたい。成人したら親は関係ないとか抜かすヤツは、きっと幸福なんだろうな。